2021/12/01
銀行の業務を大幅に広げる改正銀行法が22日、施行した。広告やシステム販売など新たに参入できる具体的な業種を明記したほか、子会社を活用すれば一定の要件を満たしたうえで際限なく異業種に進出可能になった。預貸業務を超え実業による取引先支援が求められるなか、戦略の優勝劣敗がより鮮明になる。
三菱UFJ銀行は経営支援システムのビジネステック(東京・千代田)を11月中に買収する。同社は名刺管理や労務管理など100社超のサービスをクラウドなどで提供するサービスを展開。銀行の担当者が取引先の希望を聞きながらニーズに応じたシステムを提供する。
(中略)
動きは地方銀行にも広がる。紀陽銀行は7月、金融庁の認可を得てシステム子会社が取引先や自治体向けにサービス提供をはじめると発表。ひろぎんホールディングスは4月に人材紹介会社を設立。今回解禁された人材派遣への参入に関し「検討していく」としている。
(日本経済新聞 11月23日)
銀行の立ち位置は社会課題に包括的にアプローチできることだ。中小企業の底上げだけでなく、SDGs推進にも一役買える。
今年3月、ふくおかフィナンシャルグループはSDGs支援子会社「株式会社 サステナブルスケール」を設立。国連の「新国富報告書」代表を務める九州大学教授・馬奈木俊介氏が取締役に就任した。設立の意図は「地域経済において業種・地域横断的にSDGsの取組みを 推進できる重要な立場にある地域金融機関が、SDGsの取組みを通して持続的に成長する地域社会と、それを支える企業の創出・成長を促す“架け橋”となることが重要」と考えたことだ。
同社は、SDGsの普及、評価・分析、コンサルティングを行い、九州大学と共同開発した地域金融機関向け「SDGs/ESGスコアリングサービス・Sustainable Scale Index」の提供を開始。この11月には、ふくおかフィナンシャルグループ子会社の福岡銀行、 熊本銀行、十八親和銀行向けに提供する。
各行から地元企業に取り組みが広がれば、銀行のあり方も変化してくる。
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