ダラダラと長時間働く「偽装バリバリ」と、仕事が過度に集中して心身が消耗した「過労バリバリ」。世界が驚くニッポンの長時間労働の背後には、2つの異様な「バリバリ社員」が潜む。
師走の東京・新橋。取材班はサラリーマンの本音を探るため、ほろ酔いの50人に聞いてみた。「あなたの職場に偽装バリバリはいますか」
「いる」と答えたのは半数。24歳の男性システムエンジニアは「『なんで残っているの』みたいな人は多い」と残業代目当てを疑う。40歳の大学職員は「ムダな仕事が多い」と組織の問題を指摘した。「会社の方が居心地がいい」という50代のメーカー社員も。事情はさまざまだが、あちこちの職場にムダな残業があることは分かった。(日本経済新聞 1月3日)
この問題の根っこにあるのは「長時間労働は美徳である」という就労文化である。ノー残業デーなどを実施したところで、根本的な解決には至らないだろう。定時に退社すると「もう帰ってしまうのか?」と上司から白眼視される文化は、多くのサラリーマンに染み付いてしまい、勤怠制度の改革で修正されるほど容易ではない。
(プライベートタイムを欲しがりません。目標を達成するまでは)という価値観はブラック企業でなくとも、当たり前のように踏襲されている。年功序列型賃金であろうと成果主義賃金であろうと、目標必達が会社員生活のすべてに優先するという価値体系がある限り、長時間労働文化は変わらない。
この記事が指摘する「偽装バリバリ」も「過労バリバリ」も、これからも根強く続く風景だろう。
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