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求人広告件数、9月37%増

人材サービス会社でつくる全国求人情報協会(全求協、東京・千代田)がまとめた9月の求人広告掲載件数(職種別、週平均)は前年同月比37.0%増の94万4715件だった。前月からは2.5%伸びた。製造現場を中心に、新型コロナウイルス禍でも慢性的な人手不足の業種が全体をけん引した。
「生産工程」は前年同月比2倍の7万6499件。求人サイト「バイトル」を運営するディップによると「食品メーカーなどは年末年始の繁忙期に向けて増員を始めた」という。倉庫内でのピッキング作業や荷造りなどを含む「運輸・清掃・包装等」は同41・6%増の12万3573件だった。同様に年末に向けた採用強化を図った。
休業や時短営業などを迫られた飲食も採用を回復させている。「調理」は同46・8%増の7万6804件、「給仕」は9万5356件と同40・6%伸びた。同様に「販売」は同16・6%増の16万2080件だった。(日本経済新聞 10月26日)

生労働省の調査によると2020年に転職した人の数は、前年より32万人少ない319万人で、10年ぶりに減少に転じた。コロナ禍で現職にとどまる傾向が強かったのである。だがワクチン接種が進むとともに、転職へのアクションを起こしはじめたようだ。
dodaエージェントサービスの調査では、21年7月の転職希望者数は前月比91.7%、前年同月比101.1%、19年同月比106.8%だった。同社は次のように分析している。
<業種別では、大型ビルや高速道路施設の建て替えなどの需要により建設・プラント系で求人が増加しています。職種別では営業系職種が前月比109.1%と大幅に伸びました。要因として、前月に引き続き、新型コロナウイルスのワクチン接種が行き渡ったあとの景気回復を見据えた採用活動を開始する企業が増えたことが考えられます>
 コロナ第6波の到来については諸説が行き交っているが、かりに到来しても、もはや経済活動の休止はあり得ない。リストラの反動から人員補充への流れには加速がつきそうだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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