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政府が地方で30万人の若者向け雇用創出を構想

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安倍晋三政権が看板政策に掲げる「地方創生」の長期ビジョンと総合戦略が25日、判明した。人口の東京一極集中を是正するため、平成32(2020)年までに地方から東京圏への人口転入を年間6万人減らし、転出を4万人増やすことで転出入の均衡を図る方針を明記。さらに地方で30万人の若者向け雇用を創出し、人口の受け皿とする目標を掲げた。政府は27日に総合戦略などを閣議決定する。
(中略)
総合戦略には、27年度からの5カ年で取り組む施策を列挙。地方での雇用創出について、起業支援や地域の中核企業を軸にした経済活性化の支援などで11万人、ブランド化や販路拡大による農林水産業や観光業の振興などで19万人の雇用を作り出す目標を掲げた。
さらに、人口の地方還流を促すため、移住相談を一元的に受け付ける機関の設置を明記。地方移転が可能な国の研究機関などを26年度にリストアップし、地方の誘致希望を募った上で、28年度以降に移転を具体化するとした。子育て支援では妊娠から出産、就学までの期間を切れ目なくサポートする相談機関を全国に整備することなどを掲げた。(産経新聞 12月26日)

三菱総合研究所の調査によると、30~50代男性のおもな地方移住の動機は「働き方を変えたい」「都市部の騒々しい暮らしがあわない」「広々とした住宅を確保したい」など。要はゆったりとした人生を送りたいのだ。

とくに50歳前後になって子供の教育に人区切りがつき、早期退職による割増退職金などをアテにできる職場に勤務しているサラリーマンなら、一定の経済力を確保できていれば、当面の食い扶持に右往左往しなくてもすむので、セカンドライフへの切り替えを希求するようになるのだろう。

これが移住ニーズとしてどこまで顕在化しているかは定かでないが、職場と住宅をセットで提供するインフラを作った地域が受け入れの先頭に立つのではないか。自治体が人材情報サービス会社と不動産会社を活用して潜在ニーズを掘り起こせばよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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