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高校新卒採用「増やす・昨年同様・新たにはじめる」が8割

高校新卒採用支援を行うジンジブ(大阪市、)は、新卒採用担当者向けに2022年卒の採用活動や採用後のフォロー、就職活動のあり方に関する調査を実施した(有効回答数は638人、うち高卒採用実施は398人)。
2022年卒の高卒採用の募集人数の増減には「増やした」が27.5%、「変わらない」が46.9%、「減らした」が15.1%、「新たにはじめる」が5.5%、「採用を辞める」が0.3%、「未定・分からない」が4.8%だった。
「増やす」「変わらない」の回答が74.4%と、昨年同時期の調査(2020年9月)と比較し5.4ポイント上昇、前回調査(2021年6月)と比較し6.1ポイント上昇した。
「新たにはじめる」の回答を合わせ、約8割が採用意欲の高い状況であることが分かった
(ジンジブ作成プレスリリースを要約 9月29日)

文部科学省が実施した「学校基本調査」によると、2020年度の高等教育機関(大学・短期大学、高等専門学校および専門学校)への進学率は83.5%。過去最高を記録した。大学・短期大学への進学率は58.6%で、内訳は、大学進学率が54.4%、専門学校進学率が24.0%だった。
8割以上の高校卒業者が高等教育機関に進学する時代にあって、高校卒業者を新卒採用する利点は何か。ジンジブの調査結果を見ていきたい。
高卒人材の魅力は、1位が「長期戦力が見込める」の65%、2位が「人材の良さ(素直、熱心、飲み込みが早いなど)」の53.9%、3位が「組織構造の改善」の33.5%。さらに「既存社員の意識の向上」「会社の社風が良くなる」「企業文化の浸透が早い」「会社の理念、制度などの見直しにつながる」とつづいた。
要は伸びしろが大きいと期待されている。したがって高卒採用を始めた理由も「若手人材の採用のため」(74.6%)がもっとも多い。
プロ野球界では、大卒の選手に対して「高卒でプロになっていたら、もっと活躍できた」と評されることが多いが、それはスタートラインの時間的な差だけではなく、練習環境やサポート体制に格段の違いがあるからだ。高卒の新卒社員にも同様の環境を提供してほしいものだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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