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課長職を立候補制に 2022年導入へ SOMPOホールディングス

SOMPOホールディングスが、課長職を立候補制にする。
損保ジャパンなどを傘下に持つSOMPOホールディングスは、2021年度からおよそ20の部長職について立候補制をとっているが、2022年4月からは、これをおよそ60の課長職にも拡大するという。
会社からは、ポストの給与水準に加え、必要なスキルやミッションが明示され、年齢や在籍年数にかかわらず誰でもチャレンジすることができる。
「45歳定年」を提言する企業が出てくるなど、経済界では、多様な働き方を模索する動きが活発化している。
(FNNプライムオンライン 9月17日)

 昨今は出世を望まない会社員が増えたという。昇給と業務負荷を天秤にかけた場合、割に合わないと考える風潮が強くなっているのだ。ワークライフバランス重視もこの風潮に拍車をかけている。
 この時勢にあっては、どの役職も、その役職に意欲のある社員に任せるのがよいのかもしれない。たとえ適性にすぐれていても、現職にとどまりたいと希望する社員の起用は、適材適所の理に反すると人事の基準を考え直したほうが現実的だろう。
 だが、懸念すべき問題もある。みずから幹部職を志願する社員は、成長意欲のパイが大きいが、一般に上昇志向には権力欲と名誉欲が隠れている。リーダーシップにすぐれた社員は支配欲求も強いが、これはマウントを取りたがるという志向性を生み、一歩間違えるとパワハラを引き起こしかねない。
当人の自覚はあくまで善意による部下の指導だから、客観的に見ればパワハラでも“行き過ぎた言動”としてしか自覚できない。目標達成意欲が高いほど、この弊害は出やすい。
 理想的な幹部人事は周囲から推される社員の登用だが、えてして周囲から推されるような人物には、他人の上に立とうという志向性が弱いものだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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