2021/08/30
パーソルキャリア(東京・千代田)が19日発表した7月の中途採用求人倍率は、前月比0.29ポイント高い2.15倍だった。2倍を超えるのは2020年12月以来で、営業職を中心に求人市場の回復傾向が目立つ。
中途採用の求人倍率は同社の転職サービス「doda(デューダ)」に登録する求人数を転職希望者数で割って算出する。転職希望者数が前月比8%減った一方、求人数は同6%増えた。求人数は19年7月の92%まで回復しており、新型コロナウイルス感染拡大前の水準に迫る。
求人数を職種別にみると「営業系」が前月比9.1%増えた。新型コロナの感染に歯止めがかからないなか、ワクチン接種の浸透による景気回復への期待は高く、企業の採用活動は活発になりつつある。
営業職は不動産やIT・通信系の業種からの求人が多い。dodaの喜多恭子編集長は「デジタル化が進むなかで対面接客が多い不動産営業は離職が多く、人員補充に動いている」と分析する。
デジタルトランスフォーメーション(DX)需要を追い風とする「SaaS」系企業の営業職も求人が増えている。商品の活用法を提案し解約率を下げる「カスタマーサクセス」や内勤営業のポジションが該当する。
(日本経済新聞 8月20日)
この9月にデジタル庁が発足に社会全体のDXが進めば、DX人材の需要はいちだんと高くなり、給与水準の相場も上昇していく。高給を支払えない企業でないと確保できなくなる。
デジタル庁が構想通りに機能すれば、社会像が一変する。そのヒントが政府の第5期科学技術基本計画(2016~20年度)で提唱された「Society5.0」である。Society5.0の定義は、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会」。狩猟社会(Society1.0)、農耕社会(Society2.0)、工業社会(Society3.0)、情報社会(Society4.0)に続く社会と位置付けられた。
Society5.0では、IoTで全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、課題解決・価値創造、多様性、分散、強靭、持続可能性・自然共生などの実現をめざすという。第6期科学技術・イノベーション基本計画(21~25年度)にも盛り込まれたが、政府の提示を待つまでもなく、すでにこの域に進んでいる企業は少なくない。
有能なDX人材を確保できるかどうか。その成否が企業の盛衰を左右する。
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