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「勤務地不問」求人13倍――ビズリーチ調べ

遠隔勤務の条件で優秀な即戦力人材を全国から採用する動きが広がっている。求人サービスのビズリーチによると、2021年6月時点の勤務地を問わない新規求人数の割合が新型コロナウイルス感染拡大前の20年2月と比べて13.2倍となった。正社員が対象で大半がリモート勤務対応の案件だという。ビズリーチは管理職や専門性の高い「ハイクラス人材」が主な利用対象で、求職者の平均年収は約750万円。4月時点で130万人超が登録する。勤務地不問の新規求人数の割合は20年2月を1とした場合、11月までは1~4・9倍で推移。感染第3波が広がり始めた12月には約8倍に達し、その後も伸びが続いた。募集職種はIT企業のエンジニアが多く、オンライン営業の企画職やメールなどで営業する「インサイドセールス」なども増えている。こうした職種は慢性的な人手不足で採用競争が激しい。
(日本経済新聞7月29日)

日本医師会、日本病院会、日本看護協会など医療関連9団体は、7月29日に合同記者会見を開いて、政府が緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大するように要請した。コロナ問題に収束の兆しは見えないどころが、事態はますます悪化している。リモートワークから通常出勤に戻る動きも限定的で、一方で新たにリモートワークに移行する職場も増えるだろう。東京からの転出も増えている。総務省の「住民基本台帳人口移動報告」によると、2020年5月に13年7月の集計開始来、初めて東京都で転出超過を記録した。結果論だが、この流れは地方創生の狙いに合致している。政府は2014 年に制定された「まち・ひと・しごと創生法」に基づいて、目標のひとつに「地方への新しいひとの流れをつくること」を提示したが、地方での雇用問題がネックとなって思惑通りに進まなかった。ところが、コロナ禍という地方移住を促進する想定外の事態が勃発した。この事態を地方創生に結びつけるべく、①「地方創生に資するテレワーク(地方創生テレワーク)」推進に向けた移住支援金の支給対象拡充②令和2年度第3次補正予算における「地方創生テレワーク交付金」の創設――などに着手した。これも働き方改革の一環で、住み方改革と一体となって進んで、地方への人口移動が進むのではないだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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