──まず、就活への心構えにおいて、大事なことはなんですか?
「そもそも、その企業はなぜ人を募集しているのか。『深読み』をしてみましょう。大量募集の理由は何か。業務拡大ならいいですが、人の出入りが激しいことが理由なら要注意です。待遇の良さを前面に出すところは、逆に言うと、給与以外のアピールポイントがない場合があります。理由を考えることで、表面的な言葉や情報に流されるリスクを減らすことができます」
(中略)
──指標以外で気を付けるべきポイントは?
「採用ページなどで注意したいのは『夢・感動』などの表現です。楽しそうで、わくわくしちゃいますが、たいていはウソです。若くして活躍できるというのも要注意です。『27歳の課長もいるぞ』というのはやや意地悪な見方かも知れませんが小物を再生産をしているとも言えます。お手本が小さすぎるのも問題なのです」(withnews 12月16日)
このインタビューに答えているのはリクルート出身の評論家、常見陽平氏である。著書「リクルートという幻想」で“リクルート出身=優秀”という幻想を喝破した。
常見氏が指摘している「採用ページなどで注意したいのは『夢・感動』などの表現で
す」「若くして活躍できるというのも要注意です」には同感である。
そもそも夢や感動という言葉を打ち出すことに違和感がある。内容空疎な会社だから夢や感動で糊塗せざるをえないのだろうし、そんな会社に限って、やれ表彰制度だの、派手なパーティーだの、イベント色をアピールして学生を釣ろうという意図なのだ。
また、若くして活躍できるのは結構だが、それは社員が定着しないから若い社員に役職を付けて、気分を高揚させているだけかもしれない。あるいは、社会経験が未熟でも活躍できるレベルの仕事で成り立っている会社なのかもしれない。
夢、感動、志――こうした言葉に関しては、その中身を具体的に示せばすむことだ。
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