2021/05/14
日本経済新聞社グループの「日経ウーマノミクス・プロジェクト」と働く女性向け月刊誌「日経ウーマン」は「企業の女性活用度調査」を実施し、2021年版「女性が活躍する会社ベスト100」をまとめた。幅広い分野で取り組みを進めたアクセンチュアが初の1位(前回2位)となった。2位は日本IBM、3位はりそなホールディングスだった。
アクセンチュアは06年に社内横断組織をつくり、女性が活躍できる環境整備に着手した。男性社員が中心で長時間労働が多いイメージのあるコンサルタント業界にあって、15年に導入した働き方改革により労働時間を短縮し、女性社員比率も向上した。
女性管理職比率は20年12月時点では18%(17年15%)にのぼり、女性経営幹部比率も17%(17年8%)も大幅に伸びた。
2位の日本IBMは前回の首位で1990年代からダイバーシティー推進に取り組む先駆的企業だ。2020年12月時点で女性役員級比率は前年から2ポイント上がり20%となるなど、管理職登用度では1位を獲得した。他薦で選ばれたメンバーに1年間の研修を行う女性管理職育成プログラム「W 50 」が想定以上の成果を生んだ。
(中略)
ランキング上位企業の共通点として、新型コロナウイルス禍でテレワークや時差出勤など柔軟な働き方を進めている。子育てや介護などを担う社員が自分に合った働き方を選びやすくなった。コロナ禍でも管理職研修などの場をオンラインに移し、取り組みを継続した企業も多い。
(日本経済新聞 5月7日)
この種のランキングに登場するのはおしなべて大手企業だが、中堅・中小企業に目を転じると、経営幹部の男女比率で女性が上回っている企業もある。
社員280人の介護サービス事業者もそのひとつ。介護業界は女性比率の多い業界で、昔から施設長などの中堅幹部では女性の登用は珍しくなく、話題にもならないほどである。だが経営幹部を見ると、やはり男性が多く、業歴の古い事業者ほどその傾向は多いようだ。
この事業者が設立されたのは約60年前だが、経営幹部は女性のほうが多い。適材適所の人事を運営してきた結果だが、女性幹部に聞くと、経営者(男性)が仕事と家事の両立に配慮して柔軟な勤務体系を組んでいる。シングルマザーに対しても悩みをじっくりと聞いて、勤務しやすく配慮しているという。
介護施設で仕事と家事の両立を難しくする業務は夜勤だが、この事業者は夜勤専従者を雇用して、家事との両立が必要な女性スタッフが日勤に専念できる体制を整えている。こうした取り組みの結果、年間離職率はわずか6%程度に過ぎない。
雇用環境について、経営者は「1日8時間労働を正規雇用者の標準的な労働時間とする慣行に問題がある。かりに1日6時間労働で職場を運営できるのなら、給与はいじらずに労働時間を2時間減らしてもよいだろう」と述べている。
Talk Geniusとは-
ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。