パナソニックは28日、三洋電機の全社員7000人が来年4月1日付でパナソニックに転籍すると発表した。事業統合に続き、人事給与体系も一本化することで「グループの真の一体化」を完了する。
パナソニックは2009年12月に三洋を連結子会社化し、2011年4月に完全子会社化。子会社化前に約2万6000人いた三洋の従業員は、事業売却などで7000人まで減少した。
このうち約6600人は、すでにパナソニックの各部署に配置して「一体経営」を進めているが、立場は三洋からの出向で、人事給与体系が分かれたままだった。
パナソニックは今年10月から管理職の年功要素を排除する給与体系に改定し、来年から一般社員にも導入するが、三洋の従業員もこの体系に入る。グループの新給与体系を適用するとともに、手当、福利厚生、年金などを一本化すれば「トータルの人件費は変わらない見込み」(広報)としている。(ロイター 10月28日)
一般論だが、吸収する側と吸収される側との間には、容易に埋まらない溝が横たわるものだ。人事給与が一本化されても、社員の感情はなかなか統合されず、吸収された側には不遇に追いやられ、挙句の果てに退職を選ぶ者が続く。
三洋電機の社員は上手くパナソニックに融和するだろうか。
M&Aが増えていくなかで融和策は枢要な経営テーマだが、去る者は追わずと割り切って、退職をむしろ肯定的にとらえる風潮も強くなってきた。これは人の縁をどう考えるかに辿り着くが、もちろん正解などなく、それぞれの処世観に由来する。
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