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1月給与総額0・8%減、10か月連続マイナス

厚生労働省は9日午前、1月の毎月勤労統計調査の結果(速報)を発表した。労働者1人あたりの平均賃金を示す現金給与総額は前年同月比0・8%減の27万2972円と、新型コロナウイルスの影響で10か月連続のマイナスとなった。
 給与総額の落ち込みは、残業代などの所定外給与が同6・6%減となったことなどが原因だ。特に「飲食サービス業等」は、緊急事態宣言下で営業時間短縮の要請を受けたこともあり、同47・7%減と大幅に低下した。
 労働者全体に占めるパートタイム労働者の比率は同0・53ポイント減の31・29%と、12か月連続で低下した。
 賃金の伸びに物価の変動を反映した実質賃金は同0・1%減で、11か月連続のマイナスとなった。
(読売新聞オンライン 3月9日)

転職サイト「doda」が1万5000人の就業者を対象に実施した調査「残業時間ランキング2019」によると、月平均残業時間は約24.9時間だった。
職種別に残業時間が多かったのは、順に設備施工管理(建築・土木系エンジニア)41.6時間、建築施工管理(建築・土木系エンジニア )36.7時間、食品/消費財メーカー(営業 )35.9時間。医師、看護師、国家公務員が入っていないのは、調査対象に含まれていなかったのだろうが。
一方、少なかった職種は、順に美容関連職(理美容・エステ・マッサージ)10.3時間、経理事務・財務アシスタント(事務・アシスタント)11.1時間、生産・製造・プロセス開発(医療系/医療系専門職 )11.4時間だった。
残業時間の理想はゼロである。だが、それでは残業手当が付かず、働き方改革による残業時間の削減とともに給与総額も下がる一方だ。基本給を引き上げない限り、生活設計が成り立たなくなってしまう。
ところが、3月11日に基本給を引き下げる施策が発表された。藤田観光が「構造改革」の一環として、今年3月以降、全従業員の基本給を3~16%引き下げるという。すでに管理職の基本給は5%減額されている。
 “賃下げ時代”が到来するのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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