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コンビニ店の60歳以上、毎年10%以上の伸び

日本フランチャイズチェーン協会(東京・港)によると、コンビニ従業員のうち60歳以上は約7%(6万3000人、2020年2月時点)で18年以降、毎年約10%のペースで伸びている。物販のほか、多様なサービスを取り扱い、業務は複雑に見えるが、「仕事はシステム化しており、慣れれば安心して働ける職場」(同協会の伊藤広幸専務理事)だ。
リクルートジョブズの宇佐川氏もシニアの働き方について「自分が退職前に経験した職種にこだわらない。食わず嫌いはやめよう。やったことがないのは誰でも不安だが、勇気を持ってチャレンジしてほしい」と話す。
一方で注意点もある。40代以上の求人サイトを運営するマイナビミドルシニア(東京・新宿)の梁田周右編集長は「特に重要なのが働き始め」と指摘する。一緒に仕事をする年下のアルバイトに対し、「自分は新人であるという謙虚な気持ちで教わることが大事だ」とアドバイスする。年塗油でも「上から目線」は禁物。皆で助け合いながら働く心構えが長続きの秘訣のようだ。
(日本経済新聞 2月25日)

 シニア雇用について参考になるのは、人材派遣の高齢社(千代田区)の取り組みだ。同社は、ガスメーター検針・料金集金、家電機器修理車両の運転補助、分譲マンションの管理、レンタカー受付補助などのシニア人材を対象にしている。
 設立は2000年。昨年7月時点の登録数は1041人で、平均年齢は70,9歳。28名の本社スタッフもシニア世代で、平均年齢は64,8歳である。
 同社サイトに書かれているシニア雇用のメリットは①職種に適した即戦力を活用できる②必要なときに、必要な労働力を確保できる③高品質な労働力をリーズナブルに活用できる。募集人材の要件は、専門スキルを身に着けていることが前提なので、むしろ人柄に重点が置かれている。
 たとえば「社会人としてのマナー(礼儀)を身につけていること」「人への気遣いができること」「仕事へ真摯に取り組む人」「前向きで明るい人」「社会、人との関わりを大切にする人」「役に立ちたいと考えている人」「謙虚な人」である。
 さらに「働く前にチェックしてみよう!6つの心得」が書かれている。「1、過去の肩書で威張らない」「2、私心がなく使命感を持っている」「3、すすんで自らあいさつする」「4、
身だしなみには常に注意している」「5、約束したことは必ず実行する」「6、頭は下げるためにある」
 これらの心得はシニアでなくとも必須要件だ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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