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デジタル庁への民間人材の先行募集開始へ、兼業OK-来秋発足で政府

国や地方自治体などの情報システムを統括・監理する「デジタル庁」の来秋の発足に向け、政府が民間人材の募集を始める。IT人材やリクルーターなど先行的に30人程度の採用を目指しており、兼業も認める方針だ。
内閣官房のウェブサイトによると、採用予定職種はクラウド導入やネットワーク一元化のためのエンジニア、ITストラテジストやプロジェクトマネジャーなどで、民間人材を採用するリードリクルーターも募集する。勤務日数は1週間あたり3日を超えない範囲内などとしており、兼業も可能。勤務地は東京都港区となっている。
先行募集の応募期間は2021年1月4日から22日までで、4月1日以降に採用する。デジタル庁全体では500人程度となる方針。
菅義偉首相は就任後にデジタル庁の創設を進める考えを表明し、21日にデジタル・ガバメント閣僚会議を開いて基本方針を決定。来年9月に発足する予定だ。
(Bloomberg 12月21日)

デジタル庁の職員を公務員だけでまかなえればそれがよいのかもしれないが、この分野の最先端の人材は民間に偏在している。だが、有能な民間人材は相応の給与を得ているので、国家公務員に転じれば大幅な収入減を避けなられない。特例的に優遇しても、例えば年俸2000万円は支払えないだろう。
デジタル庁創設メンバーとしての醍醐味を期待できても、収入減の程度によっては有能な人材を集められない。となれば、副業を認める以外にないのだろうが、情報管理などセキュリティー対策にはどんな手を打つのか。
行政の中枢を担う情報システムの開発に従事する人材を採用する以上、ITスキルだけではなく、国益を毀損する懸念の有無など信用も採用の必須要件だ。いくらダイバーシティー推進の時代とはいえ、属性を過度に緩めて採用したら、甚大なリスクも懸念される。
当然、その程度のリスクは検討済みだろうが――。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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