2020/12/26
新型コロナウイルスの感染拡大を機に、遅々として進まなかった働き方の見直しが始まった。従来の常識の鎧(よろい)を脱ぎ捨てた先に、ニューワーカーが生き生きと働く組織が見えてくる。
「工場も在宅勤務ができるはずだ」。アサヒグループホールディングス社長の小路明善さん(69)は社内に檄(げき)を飛ばす。事務・営業職約9千人は8月にリモートワークを基本とする働き方に改めた。次のターゲットは生産や物流の現場だ。
(日本経済新聞 12月6日)
冬に入って再び新型コロナウイルスの感染が拡大する中、企業はテレワークの範囲を拡げている。ただ、電子データで作業が完結する業務は、ネットを介したテレワークに移行することは比較的容易だが、物理的に物を操作する業務はリモートでは難しい。
しかし、今やその常識も覆されようとしている。たとえば、現在の工場は、工場内に多数のセンサーを設置し、それらが収集するデータを基に、ITによって管理されている。工場管理の担当者の仕事は、ディスプレイの前に座り、工場管理システムが表示する情報を見て、必要に応じて工場管理システムや関連部署に指示を出すことだ。多くの場合、そのディスプレイは、工場内の一室に置かれているが、技術的には、工場内に存在する必要はない。ネットワークでつながっていれば、遠隔地の別のオフィスや担当者の自宅に置くこともできる。
工場管理システムをネットワークにつないで工場外からアクセスできるようにすることには、サイバー攻撃の対象となるなど情報セキュリティー上のリスクが伴う。しかし、今のスマートファクトリーは、そのリスクをコントロールしながらサプライチェーン全体のシステム間連携を密にしていく傾向にあり、工場管理システムが単独で運用されることはむしろ減っている。運用担当者の働き方も、今後は、テレワークを含めて多様化するだろう。
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