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働き手、地方めざす テレワーク定着で人材格差縮小も

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにしたテレワークの定着が、都市から地方への人材供給を後押ししている。東京から北海道などへの移住が増えている。また都市に住みながら地方の企業で仕事をする「オンライン就業」も広がってきた。世界的にみても人材の偏在が顕著な日本で、首都圏への一極集中が緩和する可能性がある。
総務省の人口移動報告で7月、2013年に統計が現在の調査方法になってから初めての現象が起きた。東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)からの転出者が転入を上回り、1459人の転出超過になった。
(日本経済新聞 9月16日)

新型コロナウイルスの感染拡大という特殊要因があるとはいえ、首都圏が転出超過になるのは歴史的な出来事だ。

新型コロナウイルスの感染の終息が見えず、長期化が予想され、特に、東京での感染率が高いとなると、東京圏から外へ移住しようという人が多くなるのはやむを得ない。しかし、移住が実現できるのは、テレワークが広く普及してきたからでもある。そして、恐らくテレワークは、新型コロナウイルス終息後も働き方のニューノーマルとして日本に定着するだろう。そうなれば、首都圏から移住した人は、将来も首都圏には戻らず、地方に定住する可能性が高い。

その結果、首都圏は今後、転出超過が継続する可能性が出てくる。不動産業界は、すでにそれを予想して、首都圏から地方へと資産のシフトを始めた。外食、小売、ホテル等の業界もafterコロナを見据えて動き始めている。働く人々も首都圏一極集中の緩和というニューノーマルに対応する人生設計を考える時だ。

谷萩 祐之

著者情報:
谷萩 祐之

1958年生まれ、早稲田大学理工学部数学科卒。富士通株式会社でソフトウェア事業、マルチメディア事業、グローバル事業、コンサルティング事業を担当した後、現在、谷萩ビジネスコンサルティング代表。経営コンサルティングの傍ら、雑誌等で執筆活動を続ける。著書:「Webが変わる プッシュ型インターネット技術入門 」

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