2020/10/26
新型コロナウイルスの感染再拡大が続き、世界のオフィスのあり方が変わってきた。在宅勤務の浸透で金融やIT(情報技術)など欧米企業は相次ぎ賃借面積を縮小している。一方、郊外での「サテライトオフィス」新設や社員が自由に座席を選べる「フリーアドレス」の禁止など感染を避けられる新しいオフィスのあり方を模索する動きが出ている。
(日本経済新聞 9月20日)
日本では、Go Toキャンペーンなど経済優先の施策がとられているが、世界的には、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い、再び経済活動への制約が厳しくなっている。このため、多くの国で、雇用の減少と在宅勤務の長期化への懸念が強まり、オフィス需要に回復の兆しはない。
日本でも、大企業は今なお在宅勤務を継続して、それがニューノーマルになっており、たとえ新型コロナウイルスが終息したとしても、オフィスに従業員が大量に戻ってくることはなさそうだ。富士通がオフィス面積の縮小を表明したように、日本企業もオフィス用不動産の賃借面積縮小に動く可能性が高い。
しかし、日本のオフィスには特別な事情もある。それは、オフィスの人口密度が欧米に比べて高いことだ。感染症の感染防止のためにソーシャルディスタンスを取ろうとすれば、座席の間隔をもっと広げる必要がある。そのためには、日本流の大部屋をやめ、欧米流の個人ブースに換えることなどが求められるが、そうなると従業員は減ってもオフィス面積は広くなる可能性も否定できない。
さらに、その影響は、オフィス面積だけでなく、従業員間のコミュニケーションのあり方にも及ぶ。大部屋を前提としたコミュニケーションから個人の空間が仕切られたオフィスでのコミュニケーションへと変化することになる。在宅勤務からオフィスに戻ったとしても働き方の変革は避けられない。
Talk Geniusとは-
ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。