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大企業にはリスク?元社長らが頼る顧問紹介ビジネス

ono20200715

顧問紹介ビジネスは中小、零細企業に大きなメリットがあることがわかった。とはいえ、顧問になる元社長らは前の企業を退く際に多額の役員慰労金を受け取っていたはずだ。いまさら、彼らは中小、零細企業であくせく働く必要はないのではないか。  
大企業から身を引いた後も働く理由を、顧問紹介会社を通じて中小企業の顧問になった通信機器メーカーの元役員に聞くと、「報酬はさほど関係ない」とした上で、「頑張っている若い経営者たちの役に立ちたいし、社会との繋がりを保っていたいという気持ちもある」と説明した。  
さらに、「体力維持とボケないため」であり、「個室や専用車はないとはいえ、会社へ行くと社長以下社員たちが丁寧に対応してくれるので嬉しい」と。時として、「“先生”と呼ばれることもあり、優越感が満たされる」と本音を吐露する。
(中略)
現在、顧問紹介会社は確認できるだけでも10社以上。市場規模はまだ十数億円と小さいものの、右肩上がりで拡大を続けて今後も成長が見込まれている。
(JPpress 7月7日) 

中堅印刷会社の営業担当役員は顧問紹介会社から複数の人材候補を提示されたが、雇うかどうか迷っている。

「顧問に期待するのは新規の取引先開拓、つまり実益です。大所高所のご高説は求めていません。それはピーター・ドラッガーや稲盛和夫さんの本を読めばよいのですから。職務経歴書を見ると、皆さん一流のキャリアを積んでいますが、気になるのは現職でないことです」

たしかに「元取締役〇〇本部長」という肩書は、旬の時期を過ぎたことを示しているが、それも人物次第だ。さびついていない人はいくらでもいる。現に、顧問契約を結んで実績を上げ、再契約に至った例も多いという

顧問紹介会社の担当者は、顧問の有効活用には鉄則があると指摘する。

「顧問契約をしたら、まずは顧問との信頼関係を築いてほしい。いきなり新規顧客の紹介をどんどん要求すると、顧問にとっては、自分の人脈を食い散らかされてしまうような気分になってしまう場合もあるのです」

雇う側にはある程度の我慢が必要なのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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