2020/06/04
日本航空(JAL/JL、9201)をはじめとするJALグループは5月27日、2021年度入社の新入社員採用を中断すると発表した。中国から拡散した新型コロナウイルスの感染拡大により、事業計画の見直しが必要になったため。グループ各社の内定者約150人は内定を取り消さない。また、自社養成パイロット訓練生と企画職の障がい者採用は継続する。今後については決まり次第、同社のウェブサイトで案内する。
JALは2021年度新卒採用で、業務企画職の事務系40人程度と技術系50人程度、数理・IT系20人程度の約110人、パイロット訓練生を約80人、客室乗務員を約400人を採用予定だった。グループ各社の採用も中断する。
(中略)
新型コロナウイルスの影響を受け、全日本空輸(ANA/NH)をはじめとするANAグループは5月8日に新卒採用を中断すると発表。スカイマーク(SKY/BC)も一度は「採用見送り」と就活者向けに発表したものの、「中断」と表現を修正している。両社とも採用再開の見通しは立っていない。(Aviation Wire 5月27日)
日本航空ともなれば、さすがに内定取り消しはできない。この記事には「グループ各社の内定者約150人は内定を取り消さない」と書かれているが、あえて記事にしたのは、内定取り消しがあっても違和感がないほどに苦境におちいっているからなのか。
いずれにしても、採用の抑制はしばらくの間つづく。打撃を受けるのは人材サービス会社だ。
リクルートホールディングスの4月期売上収益は前年同月比で約21%減少した。求人検索サイト「インディード」の求人広告が減少してHRテクノロジー・セグメントの売上収益は前年同月比で約35%減、人材派遣セグメントは約23%減だった。
人材ビジネスでは、外国人技能実習生を受け入れる監理団体が、入国制限がつづくなかで新規受け入れができていない。特定技能で来日した外国人材をサポートする登録支援機関も、需要増を見込んで登録した法人・個人とも思惑が外れた。
リーマンショックの直後に、採用抑制の流れを受けて、人材紹介会社の経営が悪化した時期があった。
ある紹介会社に勤務するキャリアカウンセラーは「就職のアドバイスを業とするキャリアカウンセラーが失業したらシャレにならない」と話していたが、コロナショックの影響を考えれば、そんな事態が頻発する風向きも感じられる。
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