2020/05/07
大手就職情報会社のマイナビが転職者の動向を調べたところ、2019年の正社員の転職率は前年比2ポイント増の7%だった。転職に対する意識にも変化があり「転職は前向きな行動」と考える人が約7割に達した。終身雇用や年功序列など日本型雇用が崩れつつあるなか、若い世代ほど転職を肯定的に捉える傾向が高いことが分かった。
正社員として働く20~50代の男女のうち、19年に転職をした人を対象に2月21~25日にインターネットで実施した。有効回答数は1500人。
19年の正社員に占める転職者の割合を示す転職率は7%だった。調査を開始した16年の転職率は3・7%で、3年間で1・9倍増えた。世代別では若い世代が転職に積極的で、20代男性の転職率は12%(前年比3ポイント増)、20代女性は13%(同4ポイント増)だった。
仕事や転職に関する考えを聞いたところ「転職は前向きな行動である」と答えた人は前年比6ポイント増の68%と、16年の調査開始以来最大になった。
(日本経済新聞 5月1日)
中堅ベンチャー企業の経営幹部を専門に取り扱う人材紹介会社の社長によると「40歳までに転職歴が1度もない人には、なかなかオファーが来ません。純粋培養で育ってきて、視野が狭いと見られてしまうのです」。この見方の当否はともかく、中堅ベンチャー企業の社員には中途採用組が多いので、管理者にも転職経験が求められるのだろうか。
転職の動機はさまざまだが、若年層にとって転職がステップアップの手段になっている背景には、新卒で入った会社に10~20年と勤めつづけていては、ステップアップのチャンスを逃してしまうという判断があるからだ。
会社側も割り切っている。とくにベンチャー企業の経営者には、自社について「ステップアップの手段として利用してもらってよい」と社員に話す例も多い。有力社員が退職を申し出ても慰留せず、退職後に協業するシナリオを考えるなど、ビジネスパートナーとしての関係に移行する。
今後はコロナショックを受けて、社会構造全体が「在宅」「オンライン」に収れんされてゆく。オンライン呑み会に違和感がなくなれば、飲食業はイートインからテイクアウトへとシフトし、デリバリーサービスも拡大する。在宅勤務の流れも後戻りせず、推進へと向かい、在宅勤務制の有無は採用人気にも影響するだろう。
この流れは転職動向にも影響をおよぼし、在宅やオンラインに関わる企業の雇用が増えるのではないか。
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