民間企業で働く会社員やパート従業員が平成25年の1年間に受け取った給与の平均は前年比5万6千円(1.4%)増の413万6千円で、3年ぶりに増加に転じたことが26日、国税庁の実態統計調査で分かった。年間を通して企業に勤務した給与所得者数も昭和24年以降最多となるなど、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」効果が現れたとみられる。一方、非正規雇用者の平均給与額は前年比で減少しており、正規雇用者との格差は拡大した。
給与所得者は前年比で89万8千人(2.0%)増加し、4645万4千人。男女別では男性が2753万5千人(前年比1.0%増)、女性は1891万9千人(同3.4%増)となった。統計では昨年から、正規雇用者と非正規雇用者を区分した調査も実施しており、正規は3055万6千人(同1.5%増)、非正規は1039万7千人(同5.3%増)だった。
平均給与は男性が511万3千円(同1.9%増)、女性が271万5千円(同1.4%増)。また、正規の473万円(同1.2%増)に対し、非正規は167万8千円(同0,1%減)となった。(産経新聞 9月26日)
かりに安倍晋三政権がベースアップを促さなければ、給与水準は横ばいのままだったはずだ。そこに消費増税が到来したら、消費は一気に冷え込み、アベノミクスどころではなくなる。だからベースアップの促進は、政権にとって必須事項だった。
問題は来年である。消費税10%が実施されるとはいえ、2年連続でベースアップできる企業は限られるだろう。賃金増にともなう人件費倒産を目の当たりにした中小企業は、政権が何を言おうが、当たり前のように防衛に入ってゆく。
景気回復論者は消費増税に懸念を示すが、社会保障制度の保持を論拠とする消費増税論者のほうが優位な情勢だ。消費税10%を経たのち、彼らはさらなる増税論を提唱するだろうが、もはや民間企業の給与水準はついていけず、景気が冷え込むことは避けられまい。
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