2020/04/07
モスフードサービスは30日、桜田厚会長(68)が代表権を外れると発表した。6月下旬の株主総会後、任期満了に伴い代表取締役を退任する。会長としての職務は続けるという。代表取締役は中村栄輔社長1人となる。桜田厚氏は同社の創業者の故・桜田慧氏のおい。桜田慧氏の急逝で起きた経営の混乱後、1998年に社長に昇格した。「モスバーガー」のブランドイメージ向上や海外展開を主導し、16年からは会長専任となっていた。
(日本経済新聞 4月30日)
5年前にさかのぼるが、桜田厚氏をインタビューした。フランチャイズ(FC)加盟店募集方針を尋ねたのだが、示唆に富んだ話を聞いた。
モスフードサービスのホームページに掲載された加盟店募集ページには<私たちは、事前の話し合いに十分な時間をいただいています。お互いの価値観や、大切にしていることを確認させていただくことが目的です>と書かれてある。
加盟希望者には既存のFC店を訪問して経験談をヒヤリングしてもらい、モスバーガーの店舗運営への思いや人生設計などについてレポートを提出させる。そのうえで、地区担当マネージャー、本部の担当部長などの面接を経て、最終面接は桜田氏が行っていた。
桜田氏は加盟希望者に対して、ひとつのことを見ていると話した。話の内容はおおむね以下の趣旨だった。
「私心があるかどうか。本部と加盟店オーナーとの間に信頼関係が築かれないと、健全なFC運営はできないが、私心を持ったオーナーだと信頼関係を損ねかねない」
ビジネスにおける信頼関係は、もろく、はかない――。
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