2020/02/22
NTTグループは国内で新型コロナウイルスによる肺炎が拡大していることを受け、17日から順次、従業員に対して時差出勤やテレワークの実施を推奨する。対象人数などの具体的な運用は各事業会社が決める。NTTグループは国内に約20万人の従業員を抱える。日本を代表する大企業が働き方の調整に踏み込んだことで、同様の動きが広がる可能性がある。
持ち株会社のNTTが、傘下のNTTドコモや東西地域会社などに14日に通達を出した。各社で実施方法などを検討して従業員に指示する。大人数の集まる会議の代わりにテレビ会議を活用したり、体調不良の従業員は医療機関を受診したりすることも求めた。
(日本経済新聞 2月17日)
新型コロナウイルスへの対応策として、テレワークや時差出勤を行う動きが活発化している。NTTグループは、もともとIT企業としてテレワークを顧客に提案する立場であり、自社でも導入に積極的だった。既にグループ内で制度が確立しているため、実施のハードルは比較的低い。グループ内のNTTデータで働く協力会社の社員が新型コロナウイルスの感染者となったことをきっかけに、感染防止に向けたソリューションを積極的に社会へ提示する方向に舵を切ったのは妥当な判断だ。
同様に、東京では、オリンピック・パラリンピックの交通渋滞解消を目的としてテレワークの導入が準備されてきたが、新型コロナウイルスの流行を受けて、前倒しで実施に踏み切る企業が増えるだろう。ただ、新型コロナウイルスの感染力は発生当初に中国から伝えられていた情報よりも強い。爆発的な流行が始まって交通が制限される前にテレワークへ移行するには、業務プロセスの改革を急ぐ必要がある。ここからは時間との勝負だ。
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