トヨタ自動車系の労働組合で構成する全トヨタ労働組合連合会は、2015年春の賃金交渉でベースアップ(ベア)にあたる賃金改善分を統一要求とする検討に入った。東正元会長が12日に「賃上げの環境は整っている」と語り、今後議論を深める考えを示した。要求すれば2年連続となる。約33万人が加盟する全トヨタ労連が踏み切れば、他の産別組合にも波及しそうだ。(日本経済新聞 9月12日)
賃金増を物価上昇が上回って実質所得が減少するなかで、谷垣禎一自民党幹事長は、消費税10%をほのめかした。たぶん10%に引き上げられるだろう。実質所得はさらに減少する可能性があり、ふたたび政府の何らかのメッセージによって、大手企業は今年に続いて賃上げを実行せざるをえないかもしれない。
懸念されるのは中小企業だ。賃上げをできずに人材を確保できないままか、無理な賃上げによって人件費倒産に追い込まれるか。いずれにしても、大手と中小の格差は一段と開いていく。
消費税については、社会保障制度の保持に向けて「25%まで引き上げる必要がある」と公言する財政学者もいる。どこまでも混迷は続く。
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