2019/11/09
厚生労働省は29日、雇用保険の見直しに関する部会を開いた。離職して求職活動中の人に支給する失業給付の基本手当について、雇用形態の多様化を反映して日数だけでなく時間単位での認定基準を設けることを提案した。雇用保険料を引き下げる特例措置の延長も議論した。年内にも結論を出し、2020年の通常国会への雇用保険法改正案の提出を目指す。
労使の代表らで構成する労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で議論した。基本手当については、現在月に11日以上働いた場合に支給対象としているが、これを労働時間単位で合算できるようにするなど、柔軟に適用することを提案した。
(中略)
このほか、自己都合で離職した場合に失業手当を給付しない期間についても、現行の3カ月から短縮する方向で議論を始めた。政府が副業や兼業を後押しするなど、雇用の流動性を高めているのに対応する。
(日本経済新聞 10月30日)
負担と給付のバランスで成り立つ社会保障制度の運営で、消費税率10%を実施した今後のテーマは給付の調整である。安倍政権は全世代型社会保障という方針で、高齢者に傾斜していた給付を修正して、全世代への配分に切り替える。
失業者対策もそのひとつとして推進される。厚生労働省の調査によると、今年9月の有効求人倍率は1.57倍で、前月に比べて0.02ポイント低下した。完全失業率は2.4%で0.2ポイントが前月から上昇した。
雇用保険の見直しでは、離職した人にとっては、時間単位で失業手当を支給される措置よりも、自己都合退職で失業手当が失業されない3カ月の短縮のほうがありがたい。
3カ月の未給付期間が設けられているのは、失業手当を生活費としてアテにせず、再就職を促す目的の制度だが、3カ月で思うような再就職ができるとは限らない。
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