2019/11/08
第21回日経フォーラム「世界経営者会議」(主催=日本経済新聞社、スイスのビジネススクールIMD、米ハーバード・ビジネス・スクール)が29日、閉幕した。旭化成の小堀秀毅社長は同社の吉野彰名誉フェローが2019年のノーベル化学賞を受賞することに触れ、「会社をリードする専門職を育てることが、成長のエンジンとして欠かせない」と述べた。
会議の2日目はイノベーション(技術革新)を生み出す経営やデジタル技術による社会変革、インバウンド(訪日外国人)向け市場などについて幅広く議論した。吉野氏はリチウムイオン電池の開発でノーベル賞受賞が決まった。小堀社長は同社が2年前に専門性を持つ人材を厚遇するために人事制度を改定したことを紹介した。「(研究者のように)高度な能力を持つ人材が活躍できる環境をつくってきた」と述べた。グローバルに事業を多角化する上で、国籍を問わず多様な人材を取り込む重要性を強調した。
(日本経済新聞 11月29日)
専門職の育成が経営課題にのぼるのは、いまだに育成できてないからなのか、それとも企業経営の恒久の課題であるからなのか。
この課題が俎上に載ることは、はいまにはじまったわけではない。いつ頃かは定かでないが、少なくとも40年前には、ゼネラリストとスペシャリストと組み合わせた“T字型社員”があるべき人材像と喧伝されていた。
さらに専門スキルがひとつでなく、複数にわたる“π字型社員”のほうがなお好ましいともいわれた。
この人材像はいまでも変わっていないだろう。経営幹部に昇進する社員は、営業畑であれ、技術畑であれ、管理畑であれ、T字型やπ字型のスキルを保有しているものだ。専門スキルがすぐれていても、専門外の問題にまったく対応できないと“専門バカ”というレッテルを貼られかねない。
ただ、専門職でも際立って有能な社員は、専門外の業務に就かせても成果を出す。ビジネススキルの基礎力がすぐれているのだ。
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