2019/10/31
厚生労働省は二十一日、看護職員(看護師、准看護師、保健師、助産師)が二〇二五年に約六万~二十七万人不足するとの推計を発表した。訪問看護などの利用者が多い都市部で不足が顕著だった。二五年は団塊の世代が全員七十五歳以上となり、社会保障費が急増する「二〇二五年問題」も控える。医療従事者の需要はさらに高まるとみられ、同省は人材確保のため、過重労働になりがちな勤務環境改善などに力を入れる方針。
厚労省は今後、看護職の勤務環境が改善された場合を想定。残業時間と有休の取得日数のパターンを三種類設定して、それぞれ必要数を試算した。
その結果、(1)約二百二万人(残業せず有休二十日以上取得)(2)百九十万人(残業十時間以内で有休十日以上)(3)百八十八万人(残業十時間以内で有休五日以上)-となった。一方、実際の看護職員は一六年に約百六十六万人で年々増加すると見込むが、二五年には約百七十五万~約百八十二万人までしか増えないとみている。
(東京新聞 10月22日)
団塊世代の全員が75歳以上となる2025年は「2025年問題」として高齢化のキーワードになっているが、2025年がターゲットでは手遅れである。
団塊世代のはしりである1947年生まれが75歳を迎えるのは2020年。この年までに高齢化対応の医療・介護・福祉サービスの提供体制を整備しておかないと、2025年に間に合わない。その意味で、2025年問題は「2020年問題」としてとらえ直す必要がある。
2020年までに2年しか残されていない。そんなさなかに、2025年に看護職が最大27万人不足という推計が発表された。受け入れ要件を緩和して、外国人看護師の起用を試みたところで、到底追いつく数字ではない。
しかも、かりに27万人を増員するのなら、むこう2年間に完遂させないと2025年体制を整備できない。看護師が大幅に不足したまま2025年を迎えざるをえない。
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