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パナソニックにグーグル幹部 外部人材の登用加速

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パナソニックは17日付で米グーグルのバイスプレジデントの松岡陽子氏(48)を役員待遇で迎え入れる。松岡氏はロボット工学の専門家でグーグルでスマートホーム事業「ネスト」を率いた実績があり、その手腕を「つながる家電」などに生かす。同社はビジネスモデルの変革のため外資系企業などから人材を相次ぎ採用している。日本の大手企業で幹部の外部登用の動きが広がってきた。

松岡氏はパナソニックの役員待遇である「フェロー」に就く。入社後も米シリコンバレーを拠点とし、現地採用の技術者を中心に数十人の組織を設ける。ネットを通じて機能を更新し、ソフトウェアで家電製品などハードの使い勝手を高められるようにする。

(中略)

外部人材の登用を急ぐ背景について、津賀一宏社長は「既存の人は既存の事しか考えられない。ビジネスモデルが議論できる人にきてもらう」と狙いを語る。(日本経済新聞 10月17日)

経営幹部を中途採用するのは、おもに現社員とは異質のスキルに期待しているからだ。とくに米国系企業で熾烈な競争を経験した人材には、労働市場で高値がつくという。

だが、採用後にミスマッチも発生し得る。とくに前職での実績が際立っている人ほど、自分の型をもっているため、ツボにはまれば能力を発揮するが、組織風土に適応と早々に退職しかねない。

組織風土に適応できるかどうかは働いてみないとわからないが、リスクヘッジの手段として、中堅中小企業が幹部を中途採用する場合、転職歴の有無を重視する傾向が強まっているという。

やはり転職歴がゼロなら履歴書がきれいでよいのだろうか。どうも、そうではないようだ。

「経営幹部として採用する人の年齢はおもに40代ですが、その年齢までに転職歴がゼロだと採用したがりません。年齢を経れば異文化への適応力が低下するものですが、転職歴がゼロだと適応できるかどうかのリスクが大きい。異文化の免疫ができていないからで、少しの違和感で『こんなはずじゃなかった!』と後悔して、慣れるまで我慢できずに辞めてしまうのです」

中堅中小企業の経営幹部に特化した人材紹介会社の社長は、そう教えてくれた。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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