2019/09/18
ディスカウント店「ドン・キホーテ」などを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが今月下旬、経営体制を刷新する。店舗で鍛えられた人材が経営を引っ張る体制から、資源配分などに長じた新タイプのトップが全体を統括する形にする。1号店を出店した1989年から30年。海外も含めた新たな成長を目指す体制に改革する。
「私は営業現場のたたき上げだが、売り上げが2兆円に迫り、これまでとは違う経営が求められている」。米国事業の統括会社社長に専念する大原孝治社長兼最高経営責任者(CEO)は交代の理由をこう説明する。
バトンを受けるのはコンサルティング大手、マッキンゼー・アンド・カンパニー出身で、店舗での勤務経験がない吉田直樹専務だ。07年に米ハワイでの店舗運営などを担うドン・キホーテUSAの社長に就任。海外事業の責任者などを務めたほか、M&A(合併・買収)やグループの戦略立案なども担い、今年1月のユニーの完全子会社化などをまとめ上げた。
(日本経済新聞 9月10日)
どんな業種や職種でも活躍できる汎用性の高いスキルを「ポータブルスキル」というが、このスキルの持ち主は未経験の業界に転じても、その業界のベテラン以上の能力を発揮するものだ。
他業界からの新規参入者に対して「能力のある人だと思うが、うちの業界での経験がないから…」と懐疑的に見る風潮は、どの業界にも根強い。ポータブルスキルを知らないのか、あるいは新参者に活躍されては業界プロパーのメンツが立たないのか。
さる9月10日の東京都議会で東京都副知事に任命された元ヤフー会長の宮坂学氏に対しても、9日に開かれた本会議の代表質問で自民党会派から小池百合子知事に対して、こんな質問が出た。
「宮坂氏個人の能力に疑いはないが、行政経験をまったく有していない。副知事としてそれだけのことができるのか未知数だ」(日本経済新聞9月10付)
たしかに未知数だが、行政経験者を起用しても未知数であることには変わりない。
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