大手予備校の代々木ゼミナール(学校法人・高宮学園)が、17都道府県で展開する29の校舎のうち7割にあたる約20校舎を来春にも閉鎖する方針を固めた。閉鎖する校舎では来春以降の生徒を募集しない。少子化による受験生の減少や競争の激化で、かつての「3大予備校」の一角が大規模なリストラを迫られた。
代ゼミ関係者への取材でわかった。関係者によると、閉鎖に伴い、40歳以上を対象に400人規模で希望退職を募り、人員面でのリストラを進めることも検討している。20日に法人の各部署で高宮英郎理事長名で方針が伝えられたという。(朝日新聞デジタル 8月23日)
団塊世代の足跡と軌を一にして台頭したビジネスの筆頭は受験産業だ。この世代は受験産業だけでなく、ファミリーレストランを起点に外食産業など新産業を創出してきたが、高齢化とともに介護産業のパイを拡大しつつある。
団塊世代の受験戦争とともに予備校が台頭した状況は、城山三郎の「今日は再び来たらず」に描かれている。代々木ゼミナールはこの作品のモデルにもなった。
人員削減は400規模の希望退職だけでなく、講師の契約打ち切りなども行なわれるだろうが、一方で人手不足が続く企業も多い。労働力の移動が進めば経済政策としては望ましいのだが、40歳を過ぎて業種も職種も異なる職場への移動は難儀である。
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