2019/07/29
世界的な開発競争が激しさを増すなか、企業が大学の知見を活用しようと連携を一段と深め始めた。ダイキン工業やアステラス製薬は今秋にも、教授や准教授らを大学に籍を残したまま雇用し、自社の研究に参加してもらう。互いが一つの目標に向けて協力し成果を出すことを目指す。
研究者が大学と企業の両方に籍を置く手法は相互雇用と呼ばれる。米国の製薬会社などでは2つ以上の企業が同じ教授などを雇用する共同雇用も認められている。日本でも研究者の人材交流を活発にし技術革新を促すために国が2014年末から導入を推奨し始めた。
ダイキンは今年9月までに東京大学の科学分野の教授や准教授など数人を迎え入れる。専門とする研究分野の最新の知見を生かす。
(中略)
アステラス製薬も大学の教授や准教授らを今秋にも迎え入れる。30件ほどの応募から数件に絞り込んだ。抗がん剤や再生医療分野のほか、自社の領域拡大につながる研究も対象とする。
(日本経済新聞 7月21日)
「ワセダクロニクル」とNPO法人医療ガバナンス研究所の調査によって、製薬メーカーから大学教授に原稿料・講演料・寄付金などのかたちで大量の金銭が流れていることが明らかになった。
この問題は以前から医療専門ネットメディアなどで報じられてきたが、この春に東京新聞や週刊東洋経済で大きく報道され、世間一般に知れわたることになった。調査関係者によると「医学部教授たちが製薬メーカーから受け取った金を税務申告しているかどうか関心をもっているようだ」という。
製薬メーカーと大学には、いまもなお不透明な関係がつづいているのだ。
企業が大学の知見を求めるのなら、ダイキンやアステラス製薬のように教授や准教授を雇用すればよい。金銭のやりとりが透明化される。
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