ヤマト運輸は配送の効率化に向け、女性配送員を今後3年で5割増やし2万人体制にする。3~4人がチームを編成し荷物を届ける仕組みを新たに導入、ドライバー単独での配達から切り替える。午前中に集中して配ることで、再配達による時間ロスを減らす。インターネット通販の普及で宅配便の取扱個数は増え続けており、地域に詳しい主婦層を戦力に活用して、迅速できめ細かな配送サービスにつなげる。
住宅密集地などを3~4人が手分けして荷物を届ける「チーム集配」と呼ぶ手法を全国展開する。まず東名阪や地方の中核都市を中心に、全配送網の約1割に導入する。
300㍍~1㌔㍍四方を、1人のドライバーと2~3人の女性配送員が担当する。配送トラックを移動型の物流拠点として活用し、駐車したトラックから女性配送員が自転車や台車で近隣の個人宅などに荷物を届ける。(日本経済新聞 8月13日)
たぶんヤマト運輸は、厚生労働省が2025年までに全国の中学校区単位で構築をめざしている地域包括ケアシステムを視野に入れているのではないか。地域包括ケアシステムとは、医療・介護・生活支援を一体的に提供する地域社会体制で、厚労省は、社会保障費の抑制を目的に医療も介護も在宅にシフトさせる方針だ。
高齢者の在宅時間が長くなれば(消費も在宅で)という流れが形成され、通信販売や訪問販売のニーズは拡大してゆく。高齢者宅を対象にするビジネスでは、デリバリー機能の確立が必須となるが、宅配便事業者は優位なポジションを確保できる。
あらゆる商品の営業代行はもちろん、新たな生活支援サービスを開発するチャンスも開拓できる。自治体が民間企業に期待しているのは「見守り」と「配食」だが、ヤマト運輸の「チーム集配」体制は見守りを併設できるかもしれない。
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