2019/05/22
ZOZOが5月13日に始めた、時給最大1300円のアルバイト募集について、応募が殺到したため15日正午で募集を打ち切ると、前澤友作社長が14日、Twitterで表明した。2000人募集するとしていたが、14日夕方までに2000人を超える応募があったという。
募集していたのは、千葉県と茨城県の物流センターで、商品の入出庫管理や検品、発送などの作業を行うアルバイト従業員。
従来、バイト従業員の時給は1000円だったが、今回の募集では、週2、3日勤務なら1100円、週4日以上なら1300円に引き上げたほか、仕事の成果に応じて1カ月最大1万円のボーナスを半年ごとにまとめて支給するなど待遇を改善。未経験でも応募でき、履歴書も不要だ。(ITmediaNEWS 5月15日)
さる5月14日に開かれた経済財政諮問会議で、民間議員から最低賃金として時給1000円の早期実現が提言された。現在の最低賃金は全国平均で時給874円である。この現状で話題の企業が時給1300円で募集をかければ、即座に応募者が殺到して募集枠が埋まるは当然だ。
しかも履歴書が不要なら応募のハードルは低く、いわば早い者勝ちである。ZOZOも短期の単純作業のアルバイトに履歴書を求めたところで、採用担当者が精査するわけでもなく、形骸化した手続きなので不要と考えたのだろう。
ZOZOの経営には陰りが見え出しているが、経済財政諮問会議の議論をタイミングよく先取りするあたり、話題づくりは巧みである。ZOZOに続く時給1000円以上の大量求人がつづけば、早期に時給1000円はスタンダードになる。
一方、最低賃金は外国人労働者にも適用される。今年4月の改定入管法試行で創設された在留資格「特定技能」で雇用する外国人労働者には、日本人従業員と同等以上の賃金を支払うことが課せられている。低賃金労働者を確保する目的で外国人労働者を雇用しても、コストアップ要因になるのなら、賃金基準が遵守されないケースが頻発するかもしれない。
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