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「終身雇用守るの難しい」トヨタ社長が“限界”発言

ono20190520
自動車業界トップも終身雇用の継続は難しいとの認識です。
日本自動車工業会・豊田章男会長:「なかなか終身雇用を守っていくというのは難しい局面に入ってきたのではないかと」トヨタの豊田社長は業界団体のトップとして、終身雇用について「雇用を続けている企業にインセンティブがあまりない」などと述べ、今のままでは継続は難しいとの認識を示しました。一方、中途や派遣の社員が増えているとして、「やりがいのある仕事に就けるチャンスは広がっている」と述べました。終身雇用を巡っては、経団連の中西宏明会長も「終身雇用なんてもう守れないと思っている」と発言しています。
(テレビ朝日 5月13日)

トヨタ自動車が終身雇用の終焉を表明したことで、雇用の流動化は一気に加速するだろう。計画的な転職によるキャリアアップも、安易な転職によるキャリアダウンも、ともに急増する。企業も離職率に神経を尖らせる必要はなくなるのではないか。

この流れに反応して人材紹介業への新規参入も増えるだろうが、紹介会社の優劣も一層明確になってゆくのではないか。相談者に対して転職を煽ったり、あえてマイナス情報を伏せてミスマッチの懸念がある会社を紹介して、闇に雲に手数料を稼ぐ紹介会社は不評が拡散されて駆逐される。

一方、健全に経営していても芳しい評価を得られない紹介会社が続出するに違いない。何が明暗を分けるのだろうか。ひとえにコンサルタントの目利き能力である。目利き能力の高いコンサルタントは、相談者の保有スキルやポテンシャルの評価能力だけでなく、人間性も的確に評価する。

人間性の評価でポイントになるのは邪心の有無である。邪心を持つ相談者はビジネス能力が高くとも、組織人としては危うい。すぐれたコンサルタントは邪心を察知する感度が高く、組織に適応できる人材を紹介してくれる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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