人事院は7日、2014年度の国家公務員一般職の月給を0.27%、ボーナス(期末・勤勉手当)を0.15カ月分引き上げるよう国会と内閣に勧告した。景気回復に伴い、今春の賃金改定でベースアップを実施した企業が増加するなど民間の賃金水準が改善し、官民の給与差が拡大しているためで、プラス勧告は月給、ボーナスともに7年ぶり。勧告通りに実施されれば、平均年間給与は勧告前より1.2%(7万9000円)増の661万8000円となる。
(中略)
人事院の調査では、今年4月の国家公務員の平均給与は40万8427円(平均年齢43.5歳)で、民間より1090円低かった。
月給の引き上げ分は、20代を中心に民間との格差が大きくなっているため、高卒・大卒の初任給を2000円引き上げるなど若年層に重点を置いた措置を求めた。一方で、民間を上回っている55歳以上の国家公務員は据え置いた。
ボーナスについては、人事院の調査で支給月数が民間を0.17カ月分下回る3.95カ月となっており、4.1カ月への引き上げを決めた。支給月数が4カ月台に回復するのは5年ぶり。(毎日新聞 8月7日)
7年ぶりのプラス勧告とはいえ、高級官舎や天下りなどの余禄を考えれば、国家公務員がそれほど我慢を強いられていたとは、民間人の感覚からは認めがたい。だが、民間企業がこぞって賃上げを挙行するなかで、公務員も賃上げしなければ労働意欲が高揚しまい。
国家財政が危機的な状況でも、それは公務員の責任ではないから、賃上げは妥当な措置だ。そのたのめにも余禄にメスを入れ、官民格差を実質的に解消することが必須だが、既得権益を容易に手放すとは考えらない。
これは国家公務員に限ったことではないが、既得権益の喪失は、みずからが拠って立つ基盤の喪失のようなものだ。どんな措置を講じたところで骨抜きにされ、イタチゴッコが続くだけである。
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