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三菱UFJ銀、来春採用半減=三井住友、みずほも抑制

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三菱UFJ銀行は1日、2020年4月の新卒採用人数を前年から約45%減の530人とする計画を明らかにした。三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループ(FG)もそれぞれ1割、2割程度減らす。長引く超低金利で収益環境が悪化する中、ITを活用した業務の自動化が進んでいることも踏まえ採用を絞る。
採用数は3メガバンク合計で1700人程度と、前年から3割近く減少。計約6000人を採用していたピーク時の07年入社と比べると3分の1以下に落ち込む見通しだ。
1日開かれた入社式では、三菱UFJ銀960人、三井住友銀667人、みずほFG約700人がそれぞれ入行した。
(時事通信 4月1日)

銀行員はいつまで花形職業であり続けるのか。メガバンクに限らず銀行に就職する学生は昔から学歴偏差値が高く、さらに学業成績上位者だった。就職動機は金融への関心よりも、むしろ給与水準、ステイタス、安定性が主だった。

だが、40代後半で出向させられ、50歳を過ぎれば役員に昇進できない限り、かつての部下に仕える立場に逆転する。給与水準は相変わらず高いが、もはや銀行員としての活躍よりも転職先探しに注力せざるをえなくなる。

22歳で入行して、賞味期間はせいぜい20年少々だろうか。こうなると、キャリアプランの明確な学生はエリート行員をめざすよりも、多くの業界を知って起業する目的で銀行に就職するようになるかもしれない。実際、そうして起業して、上場するまでに事業を発展させた例もある。
銀行は起業家予備軍の道場になりうるのだが、今も昔も野心的な尖った人物はあまり採用しないようだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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