2019/04/01
ダイドードリンコ子会社ダイドービバレッジサービス(大阪市)の19都府県の営業所に勤める所長、副所長の管理職計97人が22日までに、残業代を大幅に減額されたとして、未払い残業代の支払いを求める民事調停を大阪簡裁に申し立てた。
請求総額は4億円程度になる見込み。
また、いずれも静岡県内営業所の所長ら2人が未払い残業代として計約990万円の支払いを求める訴訟を大阪地裁に提起した。
申し立てなどによると、同社は2013年ごろ、管理職に「みなし残業代制度」を導入。基本給に40時間相当の時間外手当を含む賃金規定の改定を行った。管理職側は、改定は労働条件が不利益となる内容なのに、労働組合への意見聴取や労働者への説明はなく、労働契約法などに違反し無効だと主張している。
(時事通信 3月22日)
この問題は「みなし残業制度」が違法化されない限り、今後も繰り返し噴出するに違いない。人件費抑制に向けて、必要以上に管理職を増やして、残業代をみなし制度に切り替えてしまえば、昇進によって給与が減るという事態にもなりかねない。実際、そんな例はゴマンとある。
ダイドービバレッジサービズの場合は、労働組合との合意を得ずにみなし残業制度を導入したことが火種を生んでしまった。なぜ合意をとりつけなかったのかは不明だが、不利な労働条件への変更を合意なしに導入すれば不信感を招くのは当然である。
みなし残業制度は社員の目には姑息に映らなくもない。「これ以上は支払わなくても働かせ放題にできる」という制度だから、おのずと残業時間は、みなし残業手当に相当する時間をゆうに上回るのが通例である。
社員は働き損を実感しているため、我慢の限界を超えると、 ダイドービバレッジサービズのような事案に至るのだ。
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