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「バイトテロ」が繰り返される真の理由 大戸屋一斉休業で問う

ono20190321

定食チェーン・大戸屋の店内で従業員が商品のプリンを口に含む、ズボンを脱ぐなど不適切な動画がSNSに投稿された問題。運営会社の大戸屋ホールディングスは3月12日に一部店舗を除いて一斉休業し、従業員の再教育と店舗清掃を行うと表明した。19年3月期の連結経常利益を従来予想から1億円下方修正、役員報酬も減額するとも発表した。
最近、こうした飲食店などで従業員が撮影した不適切な動画や画像が、SNSに投稿されて炎上する動きが相次ぎ、「バイトテロ」などと呼ばれている。以前からこうした問題は頻発していたものの、上場企業が業績予想を修正したり一斉休業に至ったりするケースは異例だ。
こうした炎上問題を巡っては、マスコミやネットメディアに登場する「識者」の根拠のない印象論を元に、当事者の企業や従業員を責めるだけの言説も少なからず出回っている。
(ITmediaビジネスONLINE 3月11日))

バイトテロ対策について、東証一部上場の外食企業の社長に尋ねたら、やはり危機感を持っていた。この企業は比較的高級な業態を多店舗展開している。各店舗とも複数の正社員が常時配置されているので、問題を引き起こしたチェーン店とは運営体制が異なるが、それでも警戒しているという。

「アルバイトを採用する時には、店内の遵守事項を明記した書類を提示して、一つひとつ説明したうえで署名してもらっています。どの会社でもやっていると思います。それでも防げるとは限りません。結局、法的措置という強硬手段を取る以外にないでしょう。いま被害に遭っている会社のどこかが法的措置に出れば、一気に流れができると思います」
不適切動画の投稿者に対しては、デジタルタトゥーの持ち主として痕跡が残ってしまうことが指摘されているが、この社長は「デジタルタトゥーという言葉では軽くて、罪の意識を自覚できないのではないしょうか」と指摘する。
無法者に対しては、その後の人生に大きな損失がおよぶことを認識させる以外にないだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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