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三井住友、一般職を総合職と一本化へ 意欲に合わせ職務

三井住友銀行は従業員の職務体系を見直す方針を固めた。総合職と主に支店の事務作業を担う一般職を一本化し、意向に合わせて職務を選べるようにする。新卒採用も総合職としての採用に一本化する。3メガバンクでは初。IT化で事務作業が大幅に減っていることが背景にあり、一般職の従業員も意欲に合わせて営業などを担ってもらい、成果に応じて給与も上げる。
2020年1月にも実施したい考えで、4月に労使協議を始める。実施が決まれば20年春の新卒採用では総合職に一本化し、全体の採用数も若干減らす見通し。19年春の新卒採用計画では計650人のうち100人弱が一般職としての採用枠だった。
(朝日新聞デジタル 3月1日)

サテライト勤務や在宅勤務の普及によって就労場所を自由に設定できれば、一般職と総合職を区分けする意味は薄れてくる。かえって組織の硬直化を引き起こす要因にもなりかねない。
ベンチャー企業では“大企業ごっこ”に走らない限り、一般職も総合職もなく、職種によって給与体系が異なっているだけだ。ひと昔前、営業職の給与が優遇されていたが、昨今は業績向上の中枢を担うITエンジニアが優遇されるようになった。
AIを駆使できるエンジニアなら、ベンチャー企業の場合、20代で年収1000万円超も例外ではない。職種ごとの給与に労働市場での価値が反映される傾向は強まっていくだろう。
一般職と総合職が一本化されると、4年制大卒の女性がワークライフバランスを優先して、あえて一般職を選ぶという指向性はどう吸収されるのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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