厚生労働省が29日発表した6月の全国の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.10倍となり、19カ月連続で改善した。1992年6月(1.10倍)以来22年ぶりの高い水準となった。一方、総務省が同日発表した労働力調査(季節調整値)によると、6月の全国の完全失業率は前月比0.2ポイント上昇の3.7%だった。悪化は10カ月ぶり。
景気の緩やかな回復を背景に、労働市場の需給は逼迫(ひっぱく)しつつある。6月は製造業や医療・福祉業で新規求人が大幅に増加した。
労働力調査は就業者数が前月比横ばいの6359万人、完全失業者数が11万人増の244万人となった。求人の増加を受けて、職を求める女性や自発的な離職者が増えた。
有効求人倍率は求職者1人に何件の求人があったかを示す指標。都道府県別では愛知が最高で1.57倍、最低は沖縄の0.68倍だった。正社員の有効求人倍率は前月比0.01ポイント上昇の0.68倍にとどまった。 (時事通信 7月28日)
有効求人倍率が高水準を記録する一方で、完全失業率が10カ月ぶりに悪化した。この記事には「自発的な離職者が増えた」とあるが、転職活動に逼迫感を漂わせない例が散見される。
ある30代の男性営業マンは夏のボーナスを受け取って退職したが、転職先はこれから探すのだという。聞けば住宅ローンを支払い、夫人は専業主婦で子供がひとり。これだけ背負っていれば、普通はなかなか転職に踏み切れないだろうし、ひとたび転職を決意したら、
次の職場を決めてから退職するものだろうが、彼は楽観的だ。
「雇用情勢が良くなったので、それなりの条件の会社に入れると思いますよ」。こういう失業者が増えているのかもしれないが、それも30代の半ばまでだ。その年代を過ぎたら、相変わらず職探しは厳しい。
40歳をひと区切りとするセカンドキャリア、その次は60歳以降のサードキャリアという道筋を描ける雇用形態が普及すれば、ビジネスマンはリアルな人生設計を描きやすくなる。
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