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介護職、人材確保へ躍起 イメージの悪さ払しょくへあの手この手

ono20190213

人材不足が深刻化している介護業界。2025年には大阪府内で3.4万人の介護職員が不足する、との試算もある。このままだと、人材難の影響が広く府民に降りかかるのは必至。人材確保の最大のネックとなっているのは、重労働や低賃金といった悪いイメージだ。府や府社会福祉協議会の取り組みを取材した。
「介護についてみな関心はあるのに、自分の仕事として考えた時にあまりにイメージが悪すぎるんです」
府福祉人材・法人指導課人材確保グループの貞末和子・総括補佐は気をもむ。2016年度の府内の介護職員は15.1万人。昨年11月の府の有効求人倍率は全産業で1.68倍だったのに対し、介護関連職種は実に5.17倍だ。最大の理由が「イメージの悪さ」だと言う。
公益財団法人「介護労働安定センター」の17年度介護労働実態調査によると、回答した全国の8782事業所のうち66.6%が人手不足を訴え、うち88.5%が採用難を理由に挙げた。月給を見ると、主に施設で働く介護職員は21万1464円。中小企業の若手社員と同等かやや良い位の水準だ。
(毎日新聞 2月3日)

介護職の確保が難しいのは低い賃金水準にあるというのが通説だが、実態は必ずしもそうでない。

介護労働安全センターが実施した「平成29年介護労働実態調査」によると、介護職の退職理由は多い順に「職場の人間関係に問題があったため」「結婚・出産・妊娠・育児のため」「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」「他に良い仕事・職場があったため」「自分の将来の見込みが立たなかったため」。その次の6番目の理由に「収入が少なかったため」がランクされた。

この調査結果を見る限り、賃金だけにスポットを当てた人材確保策では成果を期待できない。介護職の処遇改善加算は有効な手段だが、賃金の高低以前に、組織風土の改善が必要なのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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