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後継者「外部も視野」5割 経産省調査

経済産業省は、上場企業のトップを対象にした企業統治に関するアンケート調査の結果をまとめた。約半数が後継者について「外部招へいを視野に入れている」と答え、社外からの登用に前向きな考えを示した。一方、後継者の育成・選定に「就任直後から取り組む」と回答したのは3割超にとどまった。同省はできるだけ早くから取り組むよう企業に呼びかける。
調査は2018年11~12月、上場企業の社長、最高経営責任者(CEO)向けに実施。547社の社長が回答した。
後継者の登用方針に関しては「外部人材も選択肢だが、一定期間、社内業務に従事することを想定している」「社内で業務に従事することなく社長にすることもあり得る」を選んだ経営者が多かった。
(日本経済新聞 1月31日)

帝国データバンクによると、2018年における日本企業の後継者不在率は、全国で66.4%。約27万6000社(全国・全業種)のうち、後継候補の選定が済んでいる約9万3千社の後継候補として最も多いのは「子供」の39.7%。代表就任への経緯では、全体の40.3%に当たる約11万社の企業が「同族承継」で、国内企業の約2.5社に1社が同族企業となった。2016年以降に事業承継が行われたことが判明した企業約3万5000社の社長就任経緯では、18年には「同族承継」の割合が最も高く36.0%となった。
帝国データバンクの調査と経済産業省の調査から、大企業は後継者に外部人材登用に積極的で、中小企業は同族承継を選ぶ傾向が明らかになった。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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