2019/02/09
人材サービス世界最大手のアデコ(スイス)などは21日、有能な人材を持つ力を国ごとに評価した2019年版の「世界人材競争力指数」の報告書を発表した。日本は調査対象国125カ国のうち22位で、前回調査より2つ順位を下げた。上位10位のうち8カ国は欧州で、人材の獲得や育成で世界をリードしている。
(中略)
1位はスイス、2位はシンガポール、3位は米国だった。日本は「競争の厳しさ」の評価が高く、人材を生み出す力では6位。一方で「女性がリーダーシップを発揮できる機会」などが低く、人材を引き寄せる力は45位にとどまった。
(日本経済新聞 1月22日)
毎年、ダボス会議に合わせて発表される世界人材競争力指数だが、日本は毎年20位前後と低迷を続けている。因みに、2016年は19位、17年は22位、18年は20位だった。シンガポールが上位にランクされているものの、それ以外は欧米諸国が上位を占める。
アデコが本社を置く1位のスイスと指数の算出に協力したインシアードが経営院を置くシンガポールが2位になっているのは、ややバイアスがかかった結果のようにも見えるが、世界の人材を集めるという点において、これらの国が優れているのは事実だ。小国であるが故に、歴史的に市場も人材も外国に求める必要があった。その歴史が、経済のグローバル化の波に乗って、今日の繁栄につながっている。
翻って日本は、未だに外国人材を引き寄せる力が弱い。今日の日本において、数が足りないのは単純労働の労働者だが、質も数も足りないのは破壊的なイノベーションを起こせる経営者や技術者だ。労働者は日本の平均的な賃金で外国から呼ぶことはできるが、有能な経営者や技術者はそれでは集められない。日本企業は、日本人も含めたグローバルな人事制度を整備して、人材競争力の向上を図る必要がある。
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