親などの介護で働けなくなる「介護離職」を防ぐ保険やサービスが増え始めた。介護が必要になった時に保険金がおりる東京海上日動火災保険の団体保険特約の販売が急増。三井住友海上火災保険も今秋に特約を設ける。
総務省の就業構造基本調査では、介護と仕事の両立が難しいとの理由で離職する人は2012年に約10万人。集計基準の異なる労働力調査では13年に25万人に達した。働きながら介護している人は約300万人。介護の負担が重くなり休職や離職に追い込まれる恐れがある。(日本経済新聞 8月2日)
介護離職は離職する本人だけでなく突然離職される企業にとっても痛手だ。政府は介護休業制度を始めたが、まだ充分とは言えない。
子育て支援も充分とは言えないが、子育て支援に比べて介護支援がさらに難しいのは、必要な期間が一定でないことだ。子供は時が経てば育つが介護は何年かかるかわからない。介護休業制度では最大93日の休みが取れるが、それで充分とは言い切れない。
介護が必要になった時に保険金がおりる保険は、有償の介護サービスを受けやすくし、介護離職を遅らせる効果はある。しかし、それとても、どの程度の保険金があれば足りるのかは定かではない。
最も求められていることは、常勤、フルタイム+残業だけでなく、多様な勤務形態を選択できるよう、日本の雇用慣習を変革することだ。これは介護離職だけでなく、子育て支援にも、女性やシニアの雇用拡大にも役立つ。
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