通販大手のジャパネットたかた(長崎県佐世保市)は、高田明社長(65)が退任し、後任に長男の高田旭人(あきと)副社長(35)が就くトップ人事を決めた。会社の創立記念日の来年1月16日付で交代する。高田社長の退任後の処遇は未定だが、会長には就かず、テレビの通販番組への出演はしばらく続けるという。
高田社長は1986年にたかた(現ジャパネットたかた)を設立。自らテレビの通販番組に出演する手法で会社を成長させてきた。
創業20周年を迎える2016年までに社長を退く意向だったが、13年12月期の経常利益が154億円と目標の最高益を更新。これを機に長男に経営のバトンを引き継ぐことにした。今月末に東京で開く自社のテレビショッピング20周年パーティーで正式に表明する。
旭人副社長は01年に東大教養学部を卒業。野村証券を経て、03年にジャパネットたかたに入り、12年から副社長。テレビショッピングに出たことはなく、今後も出演しない方針だ。(朝日新聞デジタル 7月12日)
退任の真意はわからないが、65歳という年齢は世代交代には妥当な年齢である。現場で後任の社長をフォローできるのは、せいぜい70歳ぐらいまでだ。その年齢を過ぎてもなお活躍をつづける稲盛和夫氏や永守重信氏は、例外中の例外だから参考にならない。
この報道によると、高田氏は退任後に会長職に就かないという。顧問などに退くのだろうか。あるいは経営からきれいに身を引くのだろうか。
世代交代に踏み切る以上は、影響力をおよぼしえない立場に身を移すという断が下されれば、引き際のモデルとして一時の話題にはなるだろうが、あくまで話題にすぎない。権力の座には魔性の魅力がある。よほどの人物でない限り、権力病からの解脱は容易でないのだ。
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