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過労死ライン超えの教員、公立校で半数 仕事持ち帰りも

20181026

連合は18日、公立学校教員を対象に緊急調査を実施した結果、半数が過労死ラインとされる週60時間以上の勤務を超えていたと発表した。「時間内に仕事が処理しきれないか」という質問には8割以上が「とてもそう思う」または「まあそう思う」と答え、20代と30代では9割以上に上った。
調査は9月、公立学校教員1千人を対象にインターネット上で行われた。それによると、1週間の平均勤務時間は平日で約56時間、休日で約6時間で計約62時間だった。約6割の教員が管理職から「早く退勤するように」言われた経験があったが、このうち約7割は「仕事の量を減らしてから言ってほしい」と考え、4割以上が「持ち帰り仕事が増え、総労働時間は変わらない」と回答した。
(朝日新聞デジタル 10月18日)

教員の長時間労働は医師と同様に聖職扱いに由来している。聖職ゆえに自己犠牲は当然で、勤務時間に残業という概念がないために残業手当も支給されず、自宅に仕事を持ち帰って深夜まで働くことが常態化している。出勤時間も早い。休日出勤もザラだが、やはり手当は支給されない。   
基本給はけっして低くないが、労働時間を考えれば明らかに割に合わない。それでも教員の多くは教育への使命感にあふれ、給料と労働時間を損得で考えることはないのだろう。
IT活用によって生産性を高め、労働時間を短縮できないのだろか。だが、これは教員の仕事を知らない立場からの一般論にすぎないようで、「テストの採点や添削などは手作業が多く、生産性を飛躍的に高めるは難しい。業務量を減らさない限り、労働時間を削減できません」(元中学校教員)と指摘された。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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