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内定辞退6割が興味引く? 北海道職員の採用試験、受験者が05年以降最多

今春行った道職員採用試験(大卒程度の事務職)の受験者が1700人を超え、少なくとも2005年以降で最多になった。道は地方勤務などの仕事のやりがいを丁寧に説明したことが効果を上げたとみる。加えて昨年、内定辞退率が6割に上ったと報じられ、後ろ向きな話題ながら、興味を引くきっかけになった可能性がある
今春の受験者は、採用予定125人に対し1709人。昨春は同140人に対し1376人で、24%増となった。
道の採用試験はかつて上、中、初級に分かれ、04年以前は大卒が上、中級を併願できた。04年の上、中級の受験者は延べ2457人に上ったが、中級に短大卒が含まれるなど、今春の大卒程度と単純比較できない。比較できる05年以降ではこれまで、16年春の1668人が最も多かった。
道人事委員会は、例年3月に開く説明会を今年は1、3月に分け、道職員の仕事と試験内容を詳しく伝えたことや、試験案内の動画を作るなど広報を強化したことが奏功したとみる。
(北海道新聞 8月22日)

地方の再興は「町おこし」「村おこし」「一品一村運動」「地方創生」など言葉を変えて取り組まれてきた。少子高齢化に抗えない現実のなかで地方の衰退に歯止めをかけるには、地方公務員の奮闘が絶対条件である。
しかし、これだけ雇用情勢が好調だと、安定性以外の魅力を訴求しないと公務員の確保は厳しくなるだろう。
地方公務員の場合、地域再生の中枢を担えることが魅力だが、その内容をリアルに伝え、しかも展望の開けた取り組みが実践されていれば、学生をワクワクさせるのではないか。
昨今は地域再生のキーパーソンとして民間企業出身者が自治体に雇用させるケースが増えているが、これは自治体の人材は戦力不足であると評価されているようなものだ。コンサルティング会社に莫大な報酬を支払うことも同様である。
自治体がプロパーの人材で再生をリードできる体制を築けないのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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