2018/08/17
人事院は10日、国家公務員の定年を60歳から65歳に段階的に引き上げるため、関連法改正を求める意見を国会と内閣に提出した。
60歳に達した職員を原則管理職から外す「役職定年制」の導入や、年間給与を60歳前の7割水準に設定することなどを盛り込んだ。政府は来年の通常国会への関連法改正案提出を目指す。定年延長の開始時期は今後検討する。
現在も60歳を過ぎた公務員は再任用制度で働けるが、給与が60歳前から大幅に減る。人事院は人件費を抑えつつ勤労意欲を維持する観点から、減額幅を3割程度とした。役職定年制に特例を設け、高度な専門知識がある場合は引き続き管理職として働ける余地を残した。介護などを理由とした短時間勤務も認める。
(時事通信 8月6日)
公務員の定年が65歳まで引き上げられれば、民間企業に対する定年引き上げ圧力が強まっていく。民間企業も65歳定年が標準になり、ほどなく70歳定年制に移行する日は意外に早く到来するだろう。
70歳定年制が定着すれば、再雇用で75歳までの就労が一般的になるのだろうか。
この流れが進まないと公的年金の支給開始年齢も引き上げにくい。公的年金の支給開始年齢を引き上げるには、シルバー層を生活不安から解放する必要があるが、その具体策は定収入を得られる環境の整備である。
それにしても、天下りでない再就職という制約を受ける国家公務員にとって、定年が65歳に引き上げられる措置はありがたいだろう。しかも60歳以降の年間給与が60歳までの7割なら朗報ではないのか。
民間企業の場合、60歳以降の年間給与は60歳までの5割以下に設定されるのが通例で、3割に引き下がられる例もあるという。これだけの引き下げには「できれば辞めてほしい」というメッセージがこめられている。
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