2018/08/16
働く時間の自由度を求めて非正規雇用を選ぶ人が増えている。総務省によると、4~6月時点で「都合のよい時間に働きたいから」非正規で働く人は592万人で、5年前から44%増えた。人手不足を受け、賃金が上昇したり厚生年金に加入できたりと待遇改善が進んだことが大きい。企業は働き方改革を急ぐが、非正規・正規ともに多様な働き方の実現にはなお課題が残る。
総務省が7日発表した4~6月の労働力調査(詳細集計)によると、パートや派遣社員といった非正規雇用は前年同期より4%多い2095万人だった。
非正規で働く主な理由は「家計の補助・学費等を得たいから」「家事・育児・介護等と両立しやすいから」などを抑え、「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も多く全体の約3割を占めた。ただ、この5年で24%減ったとはいえ「正規の職員・従業員の仕事がないから」非正規で働く人も259万人いた。
(日本経済新聞 8月8日)
非正規雇用は働く時間を自由に設定できる一方で、収入減と不安定な雇用がセットになっている。当然、年齢や性別によって非正規雇用を望むかどうかは大きく違ってくるはずで、この調査からは、どんな属性が非正規雇用を望んで切るかが見えてこない。
記事によると「この5年で24%減ったとはいえ「正規の職員・従業員の仕事がないから」非正規で働く人も259万人いた」という。非正規雇用を望む人は、家計がそれなりに安定しているのではないか。
一方、非正規雇用のほうが正規雇用よりも収入が上回る職種もある。それは医師である。国立病院の勤務医は実情を語る。
「非常勤医師の時給は1万円から1万5000円が相場です。かりに1万円として1日8時間で週3日働けば、週24万円、月96万円の収入になります。非常勤なので責任が軽減され、雑用もしなくてすみます。国立大学の若手勤務医が月給40万円で雑用もこなしている現状と比較すれば、病院や学会での出世を望まなければ非常勤のほうが得でしょうね。長時間労働で健康を害することもありませんしね」
フリーランスの医師はこうした割り切りをしているのだろう。
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