Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

月収300万円も、外資に増える高給非正規雇用

人工知能(AI)やデータ分析など、技術革新は速まるばかり。「今すぐに、高いスキルを持った人が必要」。こんな声を受け、高い人では月収300万円を超える高給非正規雇用が外資企業で増えてきている。欧米では正社員をしのぐハイスキル人材採用の主戦場にまで育ってきているが、日本に広がるには壁も多そうだ。
(日本経済新聞 8月2日)

コンサルティング会社に業務を依頼するように、特定のスキルを持つ個人に対して、業務委託をするケースが日本でも増えてきた。業務委託費は需要と供給のバランスで決まるが、供給が逼迫しているAIやデータ分析では、単価の上昇が著しい。加えて、最近ではEUの新しい個人情報保護規則である「一般データ保護規則(GDPR)」への対応でITコンサルタントの需要が増大している。筆者は、日本貿易振興機構(ジェトロ)からの業務委託でGDPRに関する企業からの相談に対応しているが、相談件数は今年急増した。GDPRコンサルタントの単価も上昇中だ。

ただ、同様の業務をコンサルティング会社やITベンダーへ委託することを考えると、1人月300万円は高くない。大手に依頼する場合、中堅のシステムエンジニアの費用は1人月200万円程度であり、これがコンサルタントやAI技術者になると300万円超は普通だ。必要なときに必要な人材を確保するメリットを考えれば合理的な賃金水準といえる。日本企業もハイスキル人材の非正規雇用を増やさなければ、外資系企業に日本の人材を囲い込まれてしまうだろう。

谷萩 祐之

著者情報:
谷萩 祐之

1958年生まれ、早稲田大学理工学部数学科卒。富士通株式会社でソフトウェア事業、マルチメディア事業、グローバル事業、コンサルティング事業を担当した後、現在、谷萩ビジネスコンサルティング代表。経営コンサルティングの傍ら、雑誌等で執筆活動を続ける。著書:「Webが変わる プッシュ型インターネット技術入門 」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。